物理学者の考えるシャボン玉液
科学実験っぽくシャボン玉液をつくってみたいパパママ。
シャボン玉に関する授業をしてみたい先生たち。
何か楽しめるネタを探しているすべての大人。
シャボン玉を愛するすべての人たちへ!
本日は、物理学者達がたどり着いた
一風変わったシャボン玉液の作り方をご紹介します。
米国エモリー大学の物理学准教授のバートン氏率いる研究チームは
長年、あらゆる研究・検証を経て、シャボン玉を大きく割れにくくするには「ポリマー」こそが最重要であるという結論に至りました。
この研究の詳細は「Physical Review Fluids」という誌面に掲載されています。
結論、研究チームが研究の末に導き出したシャボン玉液のレシピは
ネット上に公開されており以下の通り。
重要なのは分量精度とのこと。
きっちりと計量するのをお忘れなく!
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物理学的最強!手作りシャボン玉液の作り方
材料
・水:1リットル
・Dawn Professional Detergent(米国の洗剤):50ミリリットル
(上記の洗剤は日本で入手できる食器洗剤キュキュットなどで代用可)
・グアガムパウダー:2~3グラム
・消毒用アルコール:50ミリリットル
・ベーキングパウダー:2グラム
グアーガムは、マメ科グアーの胚乳部から得られる水溶性の食物繊維。
インドやパキスタンなどで栽培されており、主成分はガラクトマンナンです。
食品添加物の他に、化粧品や洗浄剤などの用途もあります。
増粘剤の1種で少量でも水に溶かすと非常に強い粘性を発揮し、ネットなどで容易に購入できます。
作り方
① 「グアガム3g」と「アルコール50ml」をダマがなくなるまでしっかり混ぜる
② ①に1Lの水を足して、更に10分間ゆっくりと混ぜる
③ ②を10分間放置してグアガムを完全に溶かす(水和させる)
④ 放置後、色が濃くなるまでかき混ぜる
⑤ ④にベーキングパウダー2gを加えてかき混ぜる
⑥ Dawn Professional Detergent(キュキュットなどで代用可能)を加え、泡立たないようにゆっくりとかき混ぜて完成
作り方は非常にかんたんですね。
各工程において、粉末を確実に溶かす、または水和させるということが最重要です。
考察
海外のサイトなどを見ると、シャボン玉液の原料としてよくグアガムとして知られる食品増粘添加剤のポリマーを加えたレシピをよく見ますね。
グアガムは安全性が高い上に、簡単にシャボン玉液の質を向上できるので人気があるようです。
また便秘薬によく使われるポリエチレングリコールも、海外ではシャボン玉液の材料としてよく使用されています。保湿性が優れており、シャボン玉が割れにくくなるためです。
こうした材料を混ぜ合わせることでポリマー同士がよく絡み合い、長く強力な鎖構造が作られて割れにくい大きなシャボン玉ができるんですね。
実は研究者たちが、この発見に至る経緯には少し面白い話があって
「ポリエチレングリコール」を使用したシャボン玉液をつくっている過程で「新しいポリエチレングリコール」単体よりも
「6ヶ月経過した古く劣化したポリエチレングリコール」と「新品のポリエチレングリコール」を混ぜ合わせて使用した方が、不思議なことに、より大きなシャボン玉を作れたというのです。
この予期せぬ発見から研究者たちは以下の結論を導きだしました。
1.ポリマーという構成要素がシャボン玉液の作り方において最も重要
2.ポリマーの分子が互いに複雑に絡み合うことにより、シャボン玉は強くなる
3.長さの違う(分子サイズの違う)ポリマーはより絡み合いやすい
ポリマーと表現すると分かりづらいですが、要は増粘剤のことです。
増粘剤とは粘性を与えるために使われる添加物で、次のようなものがあります。
どれも水に溶かすとネバネバと強い粘性を発揮します。
- ペクチン
- グアーガム(グァーガム)
- キサンタンガム
- タマリンドガム
- カラギーナン
- プロピレングリコール
- カルボキシメチルセルロース(CMC)
私の知る限り、優れたシャボン玉液のレシピには例外なく増粘剤が使用されています。

まとめ
いかがだったでしょうか。
今回、シャボン玉に使用した材料「アルコール」や「ベーキングパウダー」は海外ならではという気がしますね。
実はシャボン玉おじさんも実際にこの記事の方法でシャボン玉液を作ってみたんですよ。
結果は…さすが研究者の導き出したレシピですね!
市販品のシャボン玉液とは出来が違いますよ。
是非みなさまも色々なシャボン玉液レシピに挑戦してみてね!
それでは素敵なシャボン玉ライフを!!!